2018年12月現在、留学のための海外送金方法を検索すると、次のような方法が出てきます。でも、一部はアフィリエイト目当てのような気がして、今ひとつ信用できません。というか、アフィリエイトのリンクがないサイトってないのでしょうか???(ここは、アフィリなしの完全非営利サイトです)
- クレジットカード
- 銀行・郵便局から現地銀行に海外送金
- 海外引き出し可能な銀行(旧シティバンク=プレスティア(SMBC信託銀行)など)を利用
- FX口座
- 海外専用のプリペイドカード(マネパカード、キャッシュパスポート)
- TranferWise
- 国際キャッシュカード
比較の際は、手数料もそうですが、高額な学費の支払いなどに使える枠の大きさも重要です。しかし、学校の寮に入り、学食を利用している生徒は、あまり悩む必要がありません。学校によっては、オールインクルーシブの費用を、親が日本からネットで親のアカウントで、現地の学校に直接支払う方法が提供されているからです。
クレジットカード
これは隠れた王道だと思います。寮に入って学食を利用している留学生なら、現金を使う場面はほとんどありません。ほとんど全て、クレジットカードで済みます。
留学前に家族カードや銀行系カードを複数作っておきましょう。更新カードを海外住所へ届けてもらえるかどうかも重要です。三井住友VISAカードは可能です。みずほ銀行など発行に1ヶ月以上かかる場合もありますので、早めに手配しましょう。
例えば、JALカードのnaviまたはゴールドカードの還元率は100円で1マイルです。年間250万円払ったとするとそれだけで2万5千マイル。東京とニューヨークは往復5万マイル必要なので、2年に1回はたまったマイルだけで往復できます。
ただし通常は、学校側が使っている収納サービスの手数料がかかります。これは、クレジットカード会社が2.5%前後の決済手数料を学校に請求してくるからです。手数料が2.8%かかるとすると500万円で手数料が14万円。これは東京とニューヨークの往復運賃とほぼ同じです。マイルで返ってくるからクレジットカードの手数料は気にしなくて良いとも言えます。クレジットカードは現金の換金よりもレートが有利ですから、海外送金するよりも結局お得になるのではないでしょうか。
類似例として、最近は海外のクレジットカード網を利用できる国際デビットカードがあります。還元率次第ですね。
クレジットカードによる学費の支払いでひとつ問題なのは、カードの利用可能枠が十分あるかどうかです。学校によっては分割払いも可能です(分割手数料が無料も場合もあり)。とはいえ、使ってから支払うまでの総枠ですから、およそ3ヶ月分の枠が必要と考えてください。1セメスターを一気に払えるカードとなると、学生のカードでは無理です。親名義のゴールドカードやプラチナカード、比較的枠が大きいセゾンカードや信販系カードなどに限られてきます。銀行系のクレジットカードは、親の名義でもキャッシング枠が意外としょぼく、多額の現金引き出しに対応できないのが欠点です。
信用取引なので、カード会社へ支払いが遅れたり、カードを失くすと機能が停止します。複数のカードを持つなど、危険分散しましょう。また、今はオリンピックに向けて日本もIC付きが多くなりましたが、アメリカでもICカード化する大統領令が出たため磁気ストライプのみだと使えないことがあります。必ずIC付きのカードを作りましょう。
クレジットカードは審査があるので、誰もが使えないという点も欠点です。
銀行・ゆうちょから現地銀行に海外送金
クレジットカードよりも枠が大きく(一日200〜300万円・1ヶ月500万円など)、確実に利用できるので、最後の手段としても有効です。
これは、まず現地で銀行口座を作るところからはじめます。入学時に大学の窓口に行けば、提携している銀行やCredit Unionの口座を作る手伝いをしてくれると思います。必ず行きましょう。留学生が簡単に作れる口座は「チェッキング・アカウント+デビットカード」、つまり日本で言う当座口座です。「セービング・アカウント」は日本で言う普通口座で利子も付きますが、口座開設にSSN(ソーシャル・セキュリティー・ナンバー)が必要だったり、解約するまで口座維持費がかかったりする場合も多いので、留学生は通常作りません。チェッキング・アカウントさえあれば、e-check(電子小切手)で各種支払いもできるし、送金の受取りも、現金の引き出しもできます。アメリカでは小切手でお金をやり取りすることが多いです。小切手を換金する機会も出てきます。
大学の寮に入らない場合も、必ず必要になります。
アメリカの銀行は基本的に口座維持費が必要です。チェッキング・アカウントも例外ではなく、通常は口座維持費が必要ですが、CHASEやUS BANKなど学生は無料になる銀行が多いです(Student Checking Account Comparison at the Top 10 U.S. Banks)。デビットカードもVISAなどのマークが付いており、クレジットカードを使える店で使えます。維持費が無料なのは学生の間だけですから、帰国するときに必ず解約しましょう。
で、その作った口座に、日本の両親などが海外送金し、e-check(電子小切手)で支払うわけです。現金をおろして大学の窓口に持ち込むようなことは危険(大学側も困る)なのでやめましょう。
海外送金には銀行の「海外送金手数料」以外にも、「関係銀行手数料」や「為替手数料」がかかります。大手銀行なら全部で約1万円です。三井住友銀行や三菱UFJ銀行などでは、インターネットバンキングで手続きできます。
ゆうちょダイレクトはアメリカ向けなら手数料が半分の約5千円ですが、換金レートが高いので、実際はあまり変わらないようです。
確実に大損と言えるのは、海外送金してもらってからの、さらにクレジット扱いのデビットカード支払です。送金手数料もかかるし、クレジットカード手数料もかかるし、意味ありません。これだけはしないようにしましょう。
海外引き出し可能な銀行
これは、使い方によっては、お得ですね。昔のciti bankです。
FX口座
SMBC信託銀行「プレスティア」、新生銀行「パワーフレックス」、ソニー銀行などです。
これは、使い方によっては、お得かもしれませんね。
私は使っていません。
海外専用のトラベルプリペイドカード
マネパカード、キャッシュパスポート、MoneyT Global、新生銀行・GAICA(Flex機能付)、JAL GLOBAL WALLETなど
これは、使い方によっては、お得かもしれませんね。私は使っていません。
最近「JAL GLOBAL WALLET」(住信SBIネット銀行提携)というのも出てきました。現金引き出しの限度額は1日30万円です。トラブル時の保証金額が10万円と心もとなく、あくまで観光・出張用と考えたほうが良いです。
この手のカードは、1日の限度額が10万円から50万円程度と限度額に幅があります。一般的には、多額の現金引き出しや多額の保証に対応できないのが欠点です。
審査が基本的にないので、親のクレジットカードを頼りにできない学生には、良いかもしれません。
TranferWise
これは、使い方によっては、お得かもしれませんね。私は使っていません。
国際キャッシュカード
最近は撤退する銀行が多く、新生銀行も2018年でやめました。主だったところだと、SMBC信託銀行の「プレスティア」くらいです。「プレスティア」は親の口座に子供の代理人カードを作れます。1日の最大金額は50万円で、現金引き出しの手段としては、まずまずのスペックです。
手数料は、クレジットカードを使う場合とあまり変わりないです。
仮想通貨
最近は仮想通貨という方法も出てきています。ビットコインやリップルです。変動リスクが大きいことと法整備の動きがあることに注意ですが、手数料は安いです。
金額が大きいと、現地の国税局からお尋ねが来るかもしれません。アメリカだと株式と同じ扱いです。その場合は、買った取引所と、売った取引所での明細を提出することになると思います。そこで利益があれば課税対象になるかもしれません。
国際デビットカード
クレジットカードと同じように海外でも使用できるデビットカードです。銀行で申し込めます。ほとんどの銀行は国際キャッシュカードを廃止して、国際デビットカードに移行しています。
ショッピング枠として利用する場合は、1日200万円くらいまで枠を広げることができますが、キャッシング枠としては概ね1日10万円が限度で、多額の現金引き出しに対応できないのが欠点です。
審査がないので、親のクレジットカードを頼りにできない学生には、良いかもしれません。
Flywire
実際に留学していないアフィリサイトさんはご存じないようですが、導入している学校も多いです。日本法人があるので、国内の銀行振込に対応しています。クレジットカードも使えますが、銀行振込のほうが手数料が安いです。最近の留学生はこれを一番利用しているのではないでしょうか。
答え!
学校がFlywireに対応していれば、それが一番安い。学費はFlywireの銀行振込を使う。
その他、現地の支払いはクレジットカードでマイルを貯める。
長期留学する場合は、現地の銀行で「チェッキング・アカウント」を作る。特に寮に住まない場合には必要。ただし、帰国時に解約しないと、口座維持費を国際送金する必要が出てくる。
そもそも
学費に関しては、現地の学生が支払い手続きをしなくても、Authorized Usersのアカウントを取ることで、日本の親が直接支払いできることが多いです。
大事な注意
留学生は被扶養者になれますが、扶養を証明する書類が必要な場合があります。サラリーマンだと年末に毎年提出する必要があります。例えば、学費を支払ったクレジットカードの控えや、送金の記録です。そういう証拠が残る方法を必ず取りましょう。