コモンアプリケーションに続き、アメリカ大学のアプリケーションに関係して、新しい仕組みが出てきています。
「コアリション(Coalition)」です。
アメリカでも日本でも、試験の成績だけではなく、人物評価が重視され、ボランティア活動やクラブ活動など日常の活動すべてが、選考時に考慮される時代です。
そのために、評価の対象になる全ての活動と、その時々の振り返りをあらかじめ記録する必要が出てきたのです。高校3年になってからでは遅いのです。
その記録システムのアメリカ版がMycoalition.orgです。
アメリカでは9年生になったら、学校でのプロジェクト活動やエッセイ、課外活動記録、学習記録、表彰記録など、将来大学にアプライする際に使えるかもしれない情報をとりあえず全部CoalitionのLockerに保管します。
アプライ前はエッセイの作成などをMentorとCollaboration Spaceで共有できます。また、9年生のうちから大学のAdmission Officeとコミュニケーションをとることもできます。
大学側もSATやGPAという間接的な情報ではなく、生徒と直接時間をかけてコミュニケーションをとることで、学生の成長過程が把握でき評価しやすくなります(アメリカの大学は上向きの成績を評価する)。アプライするときはLockerからデータを選び大学にアップロードします。
2018-19年の入学でCoalitionに対応してる大学はこれだけあります。
2018 Coalition College Deadlines
日本ではこれを「eポートフォリオ」と呼び、高校生向けにJAPAN e-Portfolio (文科省委託事業=ベネッセ)が提供されています。これは早速、平成31年度入試から一部の大学で先行利用できます。
民間でもベネッセとソフトバンクがクラッシ(Classi)ポートフォリオというシステムを提供開始しており、JAPAN e-Portfolioへの接続が予定されています。その他に「まなBOX」(河合塾)など学習に特化したポートフォリオもありますが、今後本当に必要なのは、生徒会や部活、ボランティアなど課外活動の記録とその時々の振り返りの記録です。その点で現在のところ日本ではベネッセ一強です。
これらのシステムは、高校全体で一括して利用することで、自動的なメンテナンスが可能になり、データを効率的に利用できます。日本の私立高校で、今年クラッシを導入していない高校は、ちょっと認識不足です。公立高校はJAPAN e-Portfolioの方で我慢するのでしょうか。
ところで、「じゃあ、Coalitionって、留学生も使うの?」ってまず考えるわけですが、留学生は自分が通っている学校と情報を連携できません。とはいえ、利用を拒むものではないので、使ってみるのも良いと思います。
Does the Coalition system support international (non-US) applicants?
JAPAN e-Portfolioやクラッシから自分でデータをコピーし英訳する必要がありますが、Coalitionで登録した志望大学からコンタクトが来ることもあるそうで、中規模以下の大学のInternational Admissions Officeなら、アプライする何年も前から「日本人学生のXXさん」として顔見知りになれます。そうなると、合格したようなものです。
流れとしては、日本のサービスをCoalitionに接続してくれると良いのですが、ソフトバンクなら考えてくれるかもしれませんね。とにかくまず、日本の高校生は全員 eポートフォリオを利用しましょう。
Coalitionはアメリカの有名トップ校が名を連ねたシステムです。今後はコモンアプリケーションと組み合わせて、主流になって来るでしょう。
Full list of Coalition member schools
ちなみに、ニューヨークやテキサス、カルフォルニアなどは、地域共通のアプリケーションがあります。
- Apply Texas
- Apply SUNY
- Cal State Apply
- MY UC Application