国内大学受験事情2018

このサイトには、例えばハーバードに行くような優秀な生徒向けの情報は何もありません。東大と海外大学併願とか言って、高1で「TOEFL iBT 100突破」みたいな才能の大盤振る舞いじゃなくて、高3になっても「TOEFL iBT 45」のような生徒のために、限られた才能を最大限活かせる情報を提供したいと思います。

で。

限られた才能で海外大学を目指す生徒も国内大学と併願してみたいということで、ここ2〜3年の国内大学受験事情に触れてみたいと思います。

ここ2〜3年、国内大学の受験現場には大きな嵐が吹いています。まず、2020年度(2021年1月)から始まる「大学入学共通テスト」。ここで、制限付きながら英語の外部試験を導入します。

認定されたのは次の8種類。

  • ケンブリッジ英語検定
  • TOEFL iBT
  • TOEIC Listening & Reading TestおよびTOEIC Speaking & Writing Tests
  • IELTS
  • GTEC
  • TEAP
  • TEAP CBT
  • 英検(1日完結型、公開会場実施、4技能新方式CBT)

従来型の英検は4技能試験と認められず却下。その他のタイプの英検はまだ実施されていません。4技能新方式CBTが2018年8月に開始で、1日完結型と公開会場実施は体制が整わず2019年からの開始です。

「2020年度からの話でしょ、カンケーないし。」って思っているあなた。実際にはもう随分導入が進んでいるんです!この1〜2年で、英検、TOEFL iBT、IELTSなどの成績を提出すると優遇がある大学が爆発的に増えています。従来英語の外部試験といえば上智のTEAPが有名でしたが、海外大学に通用するTOEFL iBT、IELTSの採用が増えているところが注目点です。特に国際系の学部は海外留学できる生徒が欲しいので、最初からTOEFL iBT、IELTSが高い学生の方がいいに決まっています。

海外大学で使える英語なら、より実践的なTOEFL iBTを勉強するのが一番です。高1になったら、どれくらい難しいか、試しに受けておきましょう。そのうえで、高2からそろそろIELTSも受けておきましょう。ちなみにイギリスではTOEFLが使えません。また、純ジャパはIELTSの方が良い成績をとれることが多いです。IELTSの欠点は、TOEFLの「受験料が高い」に加え「回数と受験会場が少ない」です。特に国内の共通テストで利用が始まる2020年度は、予約が非常に取りにくくなるのではないかと思います。

従来型の英検は圧倒的に受験料が安いのですが、回数も圧倒的に少ないのが欠点です。準1級を取るとアメリカやオーストラリアで使える大学がありますが、年3回しかチャンスがなく、しかも1次に合格しないと2次が受けられない従来型の英検をターゲットに勉強するのはちょっと考えたほうが良いかもしれません。

現状では大学によってそれぞれの外部試験の基準点が違います。自分が得意な外部試験の基準点が低い大学を選ぶと有利です。

大きな嵐の2つ目は「東京23区内で大学定員増の原則10年間禁止」です。

これも、水増し合格の厳格化という形で既に始まっています。

従来、首都圏の大学では、定員を上回る水増し合格を出して学生を確保する大学も多かったのですが、文部科学省が定員を大幅に超えた場合、国からの補助金を出さない・学部新設を認めないというペナルティを2016年度から2018年かけて段階的に始めたので、去年・今年の一般入試では、受かるはずの点数をとってもまさかの不合格という現象が出てきています。また、少子化に向けて学部の定員を絞って、大学院を充実させる方針の大学も出てきています。

特に国際系の学部はオリンピックに向けて注目度も上がっており、去年のデータは使えないと思ったほうがいいです。

今後の中堅大学は、AOや推薦入試で確実に生徒数を確保し、最後の一般入試では合格者を絞り、見かけの偏差値を上げるという傾向が強くなっていくと思います。もう既に主戦場はAOや推薦入試に移ってきています。また、これから5年間で5%も18歳年齢が減少するにもかかわらず、今後10年は特に首都圏の上位の大学の競争率は変わらず、むしろ上がることさえ考えられます。

今日本の大学は、アメリカの大学の後追いをしています。彼らが二言目に口に出すのは決まってアメリカやカリフォルニアの大学事情です。内申が悪くても一般入試で逆転なんてことは、将来過去のものになるでしょう。

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