SAT改革のあと〜テスト・オプショナルの波

東大併願みたいな頭の良い生徒は別ですが、普通の純ジャパ生徒にとって、SAT/ACTはひとつの壁。Mathはまだ良いのですが、国語(EnglishのWriting&Critical Reading)が鬼門。

だから、純ジャパは、SATが必要な名門校は避けて、一旦コミカレに行くか、SAT不要の学校を狙います。

そんな平凡な純ジャパに朗報が!

その原因は遡ること2016年。

以前のSAT Reasoning Testは、基本のテストといえど、日本の中学受験と同じように、アメリカの高校での学習内容だけでは高得点を望めない内容になっていました。ボーディングスクールやSAT専門の教育機関に行く必要があり、名門大学に貧乏人は行けない仕組みが確立していました。

そこで、2016年のSAT改革です。無料で学習できるサイトFree SAT Practice Resourcesを作るとともに、SAT Reasoning Testをアメリカの高校の授業で習う内容(Common Core)や語彙に合わせ、内容よりも技術が重要なエッセイをオプションにするなど、刷新しました。

すると、何ということでしょう。SATでわかることは、GPAでわかることと重複しているじゃありませんか。

ということで、「現在の学力しか示せないSATは不要ではないか。それよりも、High School PortfolioやAP(Advanced Placement)で生徒の将来性をきちんと見た方が良い」という議論が出てきています。SAT/ACTの提出を任意とすることをテスト・オプショナルと呼び、その動きをTest Optional Admissions Movementといいます。

考えてみると、2+2でコミカレから編入するときは以前からSAT不要ですよね。テストのフルイにかけられないと落ち着かない学生もいるようですが、社会に出ればそんなフルイどこにもありませんよ。昔は輪切り選抜といえば、悪しき教育システムの象徴だったのですが、それを自ら望むというのは、自分に自信がないので何かを根拠にラベリングして欲しいという気持ちの現れだと推測します。

SAT不要の大学リストはこちらです。

More Than 1000 Accredited Colleges and Universities That Do Not Use ACT/SAT Scores to Admit Substantial Numbers of Students Into Bachelor-Degree Programs

留学生にのみSATを免除する大学もありますので、留学生は別のリストを見る必要があります。ちょっと古いですが。。。

Test Optional Colleges and Universities for International Students, August 2016

最新情報は各大学のホームページで確認するか、「International Student Handbook」(College Board 発行)を入手してください。

オプショナルでもSATは出したほうが有利でしょう?と思うかもしれません。確かに有利ですが、提出しなければ合格できないわけではありません。アメリカの大学は現在の成績よりも将来性を重視します。将来性が見える別の材料さえ示せれば、現在の成績はそれほど重視されません(むしろ私立の名門校では、SATよりLegacyかどうかのほうが重要かも?)。

偏差値60前後の高校に通う平凡な純ジャパでも、日本できちんと学業を修め、高校生活でのachievement(目標に向かって努力し実現した経験)をきちんとエッセイで示せば、SATなしでアメリカTOP100前後の大学に入学できます。

あとは、脱TOEFL/IELTS onlyの動きも引き続きあります。

純ジャパが苦手なTOEFLとSATを受けなくてもアプライできる大学は、探せば結構あります。平凡な純ジャパがGPAの次に力を集中すべきなのは、ときにオプション扱いになっている学校独自のエッセイであり、そこに書くべきachievementです。

ブランドを気にするよりも、高校生活をきちんと謳歌して、それを評価してくれる大学を選びましょう。必要なら、そこで自分の専門性を見極め、きちんと学業を残してから、さらに専門的な大学にTransferすればよいと思います。

SATのエッセイはもはや多くの大学で不要です。UCはまだ粘っているので、直接行ける金持ちの留学生にとってはまだ必要です。

Who Requires SAT and ACT Essays (and why they shouldn’t)

Coalitionって? eポートフォリオって?

コモンアプリケーションに続き、アメリカ大学のアプリケーションに関係して、新しい仕組みが出てきています。

「コアリション(Coalition)」です。


アメリカでも日本でも、試験の成績だけではなく、人物評価が重視され、ボランティア活動やクラブ活動など日常の活動すべてが、選考時に考慮される時代です。

そのために、評価の対象になる全ての活動と、その時々の振り返りをあらかじめ記録する必要が出てきたのです。高校3年になってからでは遅いのです。


その記録システムのアメリカ版がMycoalition.orgです。

アメリカでは9年生になったら、学校でのプロジェクト活動やエッセイ、課外活動記録、学習記録、表彰記録など、将来大学にアプライする際に使えるかもしれない情報をとりあえず全部CoalitionのLockerに保管します。

アプライ前はエッセイの作成などをMentorとCollaboration Spaceで共有できます。また、9年生のうちから大学のAdmission Officeとコミュニケーションをとることもできます。

大学側もSATやGPAという間接的な情報ではなく、生徒と直接時間をかけてコミュニケーションをとることで、学生の成長過程が把握でき評価しやすくなります(アメリカの大学は上向きの成績を評価する)。アプライするときはLockerからデータを選び大学にアップロードします。

2018-19年の入学でCoalitionに対応してる大学はこれだけあります。

2018 Coalition College Deadlines


日本ではこれを「eポートフォリオ」と呼び、高校生向けにJAPAN e-Portfolio (文科省委託事業=ベネッセ)が提供されています。これは早速、平成31年度入試から一部の大学で先行利用できます。

民間でもベネッセとソフトバンクがクラッシ(Classi)ポートフォリオというシステムを提供開始しており、JAPAN e-Portfolioへの接続が予定されています。その他に「まなBOX」(河合塾)など学習に特化したポートフォリオもありますが、今後本当に必要なのは、生徒会や部活、ボランティアなど課外活動の記録とその時々の振り返りの記録です。その点で現在のところ日本ではベネッセ一強です。


これらのシステムは、高校全体で一括して利用することで、自動的なメンテナンスが可能になり、データを効率的に利用できます。日本の私立高校で、今年クラッシを導入していない高校は、ちょっと認識不足です。公立高校はJAPAN e-Portfolioの方で我慢するのでしょうか。


ところで、「じゃあ、Coalitionって、留学生も使うの?」ってまず考えるわけですが、留学生は自分が通っている学校と情報を連携できません。とはいえ、利用を拒むものではないので、使ってみるのも良いと思います。

Does the Coalition system support international (non-US) applicants?

JAPAN e-Portfolioやクラッシから自分でデータをコピーし英訳する必要がありますが、Coalitionで登録した志望大学からコンタクトが来ることもあるそうで、中規模以下の大学のInternational Admissions Officeなら、アプライする何年も前から「日本人学生のXXさん」として顔見知りになれます。そうなると、合格したようなものです。

流れとしては、日本のサービスをCoalitionに接続してくれると良いのですが、ソフトバンクなら考えてくれるかもしれませんね。とにかくまず、日本の高校生は全員 eポートフォリオを利用しましょう。

Coalitionはアメリカの有名トップ校が名を連ねたシステムです。今後はコモンアプリケーションと組み合わせて、主流になって来るでしょう。

Full list of Coalition member schools

ちなみに、ニューヨークやテキサス、カルフォルニアなどは、地域共通のアプリケーションがあります。

  • Apply Texas
  • Apply SUNY
  • Cal State Apply
  • MY UC Application

AT&T GoPhone is changing its name to AT&T PREPAID.

渡米した時はGoPhoneの$45コース(〜6G)を使っていたのですが、名前がAT&T PREPAIDになって$50コース(〜8G)ができました。AutoPay(毎月自動支払)にすると、どちらも$40/月になります。実質の値下げ。気が付きませんでした。

渡米した当初はSoftbankのアメリカ放題を試しましたが、ダラス空港でも大学でもSprintと全然つながらず、つながるのはT-mobileばかり。今はつながるようですが、当時はすぐにあきらめました。

そこで、プリペイドです。留学生はSSNが必要な一般契約ができません。

アメリカのプリペイドといえば、AT&T「AT&T PREPAID」かT-mobileの「SIMPLY PREPAID」が2強です。iPhoneやAndroidのスマホも使えます。最大手のVerizonは提供していません。

田舎なのでエリアが広いAT&Tを選びました。ショッピングセンターに行く足もないので、SIMは米amazonで購入。日本のクレカではactivateできないという噂もありますが、JALカードDC-VISAでactivateできました。

ちなみに、activateを日本であらかじめできるプリペイドとしてはH2O by KDDI Mobile があります。

日本から持ち込むスマホは、SIMフリーかSIMロック解除済みのスマホが必要です。SIMロック解除は日本で行っておきます。また、対応する電波の互換性を確認する必要があります。互換性の高いiPhoneを入手するには、日本のapple storeでSIMフリーのiPhoneを購入するのが近道です。

寮やキャンパスではほとんどWiFiで済ませるので、6Gのコースでも毎月5Gくらい翌月に繰り越しています。ティザリング(=Mobile hotspot)や480pビデオ無制限も付いて、8Gが$40/month。他のオプション料金は一切不要。国内の通話とSMSは無制限。プリペイドなので追加料金も自動発生しない。Softbankを使い続けるより安心・経済的です。

学生同士で携帯電話に直接かけることもほとんどないので良いのですが、アメリカ放題でSoftbankにかけたりSoftbankからかけるということは、アメリカでは国際電話をかけるということになります。友達があなたにかけるときは国際電話料金が課金されます。また、発信番号が正しく表示されないので、コールバックもできません。SMS(=text messaging)もできません。

一方で頻繁に帰国する人や、夏休みや冬休みに長期間日本で過ごす人には、日本の電話番号を使え、アメリカではデータ無制限(期間限定)のアメリカ放題も良いかもしれません。

Softbankの解約は原則日本の窓口で本人かその代理が手続しなければなりません。これが一番めんどくさい点です。しかも、手続した日が解約日になります。日本ですっきり解約手続をしてから、渡米することをお勧めしたいのですが、そう簡単ではありません。家族に代理で解約してもらうしかありません。
※ 2018年6月27日をもってホワイトプランの新規受付が終了します。

以上、個人的体験に基づく個人的感想です。

どうする?授業料・寮費・食費の送金方法

2018年12月現在、留学のための海外送金方法を検索すると、次のような方法が出てきます。でも、一部はアフィリエイト目当てのような気がして、今ひとつ信用できません。というか、アフィリエイトのリンクがないサイトってないのでしょうか???(ここは、アフィリなしの完全非営利サイトです)

  1. クレジットカード
  2. 銀行・郵便局から現地銀行に海外送金
  3. 海外引き出し可能な銀行(旧シティバンク=プレスティア(SMBC信託銀行)など)を利用
  4.  FX口座
  5. 海外専用のプリペイドカード(マネパカード、キャッシュパスポート)
  6. TranferWise
  7. 国際キャッシュカード

比較の際は、手数料もそうですが、高額な学費の支払いなどに使える枠の大きさも重要です。しかし、学校の寮に入り、学食を利用している生徒は、あまり悩む必要がありません。学校によっては、オールインクルーシブの費用を、親が日本からネットで親のアカウントで、現地の学校に直接支払う方法が提供されているからです。


クレジットカード

これは隠れた王道だと思います。寮に入って学食を利用している留学生なら、現金を使う場面はほとんどありません。ほとんど全て、クレジットカードで済みます。

留学前に家族カードや銀行系カードを複数作っておきましょう。更新カードを海外住所へ届けてもらえるかどうかも重要です。三井住友VISAカードは可能です。みずほ銀行など発行に1ヶ月以上かかる場合もありますので、早めに手配しましょう。

例えば、JALカードのnaviまたはゴールドカードの還元率は100円で1マイルです。年間250万円払ったとするとそれだけで2万5千マイル。東京とニューヨークは往復5万マイル必要なので、2年に1回はたまったマイルだけで往復できます。

ただし通常は、学校側が使っている収納サービスの手数料がかかります。これは、クレジットカード会社が2.5%前後の決済手数料を学校に請求してくるからです。手数料が2.8%かかるとすると500万円で手数料が14万円。これは東京とニューヨークの往復運賃とほぼ同じです。マイルで返ってくるからクレジットカードの手数料は気にしなくて良いとも言えます。クレジットカードは現金の換金よりもレートが有利ですから、海外送金するよりも結局お得になるのではないでしょうか。

類似例として、最近は海外のクレジットカード網を利用できる国際デビットカードがあります。還元率次第ですね。

クレジットカードによる学費の支払いでひとつ問題なのは、カードの利用可能枠が十分あるかどうかです。学校によっては分割払いも可能です(分割手数料が無料も場合もあり)。とはいえ、使ってから支払うまでの総枠ですから、およそ3ヶ月分の枠が必要と考えてください。1セメスターを一気に払えるカードとなると、学生のカードでは無理です。親名義のゴールドカードやプラチナカード、比較的枠が大きいセゾンカードや信販系カードなどに限られてきます。銀行系のクレジットカードは、親の名義でもキャッシング枠が意外としょぼく、多額の現金引き出しに対応できないのが欠点です。

信用取引なので、カード会社へ支払いが遅れたり、カードを失くすと機能が停止します。複数のカードを持つなど、危険分散しましょう。また、今はオリンピックに向けて日本もIC付きが多くなりましたが、アメリカでもICカード化する大統領令が出たため磁気ストライプのみだと使えないことがあります。必ずIC付きのカードを作りましょう。

クレジットカードは審査があるので、誰もが使えないという点も欠点です。


銀行・ゆうちょから現地銀行に海外送金

クレジットカードよりも枠が大きく(一日200〜300万円・1ヶ月500万円など)、確実に利用できるので、最後の手段としても有効です。

これは、まず現地で銀行口座を作るところからはじめます。入学時に大学の窓口に行けば、提携している銀行やCredit Unionの口座を作る手伝いをしてくれると思います。必ず行きましょう。留学生が簡単に作れる口座は「チェッキング・アカウント+デビットカード」、つまり日本で言う当座口座です。「セービング・アカウント」は日本で言う普通口座で利子も付きますが、口座開設にSSN(ソーシャル・セキュリティー・ナンバー)が必要だったり、解約するまで口座維持費がかかったりする場合も多いので、留学生は通常作りません。チェッキング・アカウントさえあれば、e-check(電子小切手)で各種支払いもできるし、送金の受取りも、現金の引き出しもできます。アメリカでは小切手でお金をやり取りすることが多いです。小切手を換金する機会も出てきます。

大学の寮に入らない場合も、必ず必要になります。

アメリカの銀行は基本的に口座維持費が必要です。チェッキング・アカウントも例外ではなく、通常は口座維持費が必要ですが、CHASEやUS BANKなど学生は無料になる銀行が多いです(Student Checking Account Comparison at the Top 10 U.S. Banks)。デビットカードもVISAなどのマークが付いており、クレジットカードを使える店で使えます。維持費が無料なのは学生の間だけですから、帰国するときに必ず解約しましょう。

で、その作った口座に、日本の両親などが海外送金し、e-check(電子小切手)で支払うわけです。現金をおろして大学の窓口に持ち込むようなことは危険(大学側も困る)なのでやめましょう。

海外送金には銀行の「海外送金手数料」以外にも、「関係銀行手数料」や「為替手数料」がかかります。大手銀行なら全部で約1万円です。三井住友銀行や三菱UFJ銀行などでは、インターネットバンキングで手続きできます。

ゆうちょダイレクトはアメリカ向けなら手数料が半分の約5千円ですが、換金レートが高いので、実際はあまり変わらないようです。

確実に大損と言えるのは、海外送金してもらってからの、さらにクレジット扱いのデビットカード支払です。送金手数料もかかるし、クレジットカード手数料もかかるし、意味ありません。これだけはしないようにしましょう。


海外引き出し可能な銀行

これは、使い方によっては、お得ですね。昔のciti bankです。


FX口座

SMBC信託銀行「プレスティア」、新生銀行「パワーフレックス」、ソニー銀行などです。

これは、使い方によっては、お得かもしれませんね。

私は使っていません。


海外専用のトラベルプリペイドカード

マネパカード、キャッシュパスポート、MoneyT Global、新生銀行・GAICA(Flex機能付)、JAL GLOBAL WALLETなど

これは、使い方によっては、お得かもしれませんね。私は使っていません。

最近「JAL GLOBAL WALLET」(住信SBIネット銀行提携)というのも出てきました。現金引き出しの限度額は1日30万円です。トラブル時の保証金額が10万円と心もとなく、あくまで観光・出張用と考えたほうが良いです。

この手のカードは、1日の限度額が10万円から50万円程度と限度額に幅があります。一般的には、多額の現金引き出しや多額の保証に対応できないのが欠点です。

審査が基本的にないので、親のクレジットカードを頼りにできない学生には、良いかもしれません。


TranferWise

これは、使い方によっては、お得かもしれませんね。私は使っていません。


国際キャッシュカード

最近は撤退する銀行が多く、新生銀行も2018年でやめました。主だったところだと、SMBC信託銀行の「プレスティア」くらいです。「プレスティア」は親の口座に子供の代理人カードを作れます。1日の最大金額は50万円で、現金引き出しの手段としては、まずまずのスペックです。

手数料は、クレジットカードを使う場合とあまり変わりないです。


仮想通貨

最近は仮想通貨という方法も出てきています。ビットコインやリップルです。変動リスクが大きいことと法整備の動きがあることに注意ですが、手数料は安いです。

金額が大きいと、現地の国税局からお尋ねが来るかもしれません。アメリカだと株式と同じ扱いです。その場合は、買った取引所と、売った取引所での明細を提出することになると思います。そこで利益があれば課税対象になるかもしれません。


国際デビットカード

クレジットカードと同じように海外でも使用できるデビットカードです。銀行で申し込めます。ほとんどの銀行は国際キャッシュカードを廃止して、国際デビットカードに移行しています。

ショッピング枠として利用する場合は、1日200万円くらいまで枠を広げることができますが、キャッシング枠としては概ね1日10万円が限度で、多額の現金引き出しに対応できないのが欠点です。

審査がないので、親のクレジットカードを頼りにできない学生には、良いかもしれません。


Flywire

実際に留学していないアフィリサイトさんはご存じないようですが、導入している学校も多いです。日本法人があるので、国内の銀行振込に対応しています。クレジットカードも使えますが、銀行振込のほうが手数料が安いです。最近の留学生はこれを一番利用しているのではないでしょうか。


答え!

学校がFlywireに対応していれば、それが一番安い。学費はFlywireの銀行振込を使う。

その他、現地の支払いはクレジットカードでマイルを貯める。

長期留学する場合は、現地の銀行で「チェッキング・アカウント」を作る。特に寮に住まない場合には必要。ただし、帰国時に解約しないと、口座維持費を国際送金する必要が出てくる。


そもそも

学費に関しては、現地の学生が支払い手続きをしなくても、Authorized Usersのアカウントを取ることで、日本の親が直接支払いできることが多いです。


大事な注意

留学生は被扶養者になれますが、扶養を証明する書類が必要な場合があります。サラリーマンだと年末に毎年提出する必要があります。例えば、学費を支払ったクレジットカードの控えや、送金の記録です。そういう証拠が残る方法を必ず取りましょう。

エージェントなしで留学するために参考にした本

本はたくさん読みました。たくさん買いました。以下、買った本のリスト(一部)です。

★★★是非購入すべき ★★購入したほうがいい ★参考にはなる

”International Student Handbook”★★★
・・・必要なTOEFLの点も書いてある。唯一と言って良い留学生用の学校案内。

“Best Colleges”★★★
・・・US NEWSの大学ランキング

“アメリカ留学公式ガイドブック[第2版]”★★★
・・・ビザをとっていざ留学するときに必要。ネットで素人のサイトを見る前に、まず見ておきたい。あとで読み返してそう思う。

“ETS公認ガイド TOEFL IBT”★★★
・・・TOEFL受けるなら買うしかない

“Cambridge IELTS”★★
・・・IELTS受けるなら買うしかない

“Barron’s Profiles of American Colleges”★★
・・・1,650校、意外と参考になった

“Fiske Guide to Colleges”★
・・・約320校、普通。

“The Best 381 Colleges”★
・・・Princeton ReviewのTOP381校

“The Ultimate Guide to America’s Best Colleges”★
・・・TOP300校

“College Handbook”
・・・College Boardの網羅的学校案内。4年制2,200校、コミカレ1,700校。

“Book of Majors”
・・・College Boardから出ている、専攻科目の案内。それほど役に立たなかった。

“Scholarship Handbook”
・・・College Boardから出ている、ものすごい数の奨学金の案内。国内用なので全然役に立たなかった。

“アイビーリーグの入り方 アメリカ大学入試の知られざる実態と名門大学の合格基準”★★★
・・・アイビーリーグを目指さなくても出願に際して参考になった

“留学で夢もお金も失う日本人~大金を投じて留学に失敗しないために~”★★
・・・UOに合格(条件付き)したけれど、並の奨学金では予算オーバーなのであきらめた。

“ハーバード大学はどんな学生を望んでいるのか? ~日本人が抱く大いなる誤解~”★★
・・・ハーバードを目指さなくても参考になった

“目指せ日米トップ大学ダブル合格―TOEFL JuniorテストからTOEFL iBTテストへ―”★★
・・・Z会発行に負けた。まえがきに泣ける。TOEFL iBT 100を取るための勉強法。

英検 従来方式は不採用

2020年度より始まる「大学入学共通テスト」に英検の従来方式が採用されなかったことには、画期的な意味があると思います。
英検協会は「高校生が全学年に渡り、公開会場や準会場で受験可能な従来の英検はそのまま利用が継続、もしくは拡大するものと思われます。」と声明を出すまでに至っていますが、そうはならないと思います。
従来方式の欠点は、ペーパーで合格しないと面接できないということであり、4技能の間に優先順位を付けていることです。面接が得意でペーパーが不得意な人は、ペーパーが得意で面接が不得意な人に比べ、1次と2次の両方の試験を早期に受験する機会を奪われているのです。4技能を測る試験としては明らかな欠陥だと思います。いや、本当は欠陥なんてないのです。元々4技能を測る目的で設計されていないのですから、それを審査に回したこと自体がおかしかったのです。
大学側もほってはおけないでしょう。

一方で、英検の新CBTや新方式はまだ実施されていません。英検協会の慢心で、2020年の「大学入学共通テスト」は準備不足が決定してしまいました。

2018年夏より英検CBT、2019年度より公開会場実施、1日完結型を実施する予定ですが。公開会場実施と1日完結型は高3限定ですので、高2までは従来型しか受けることができません。一方でコンピュータを使用する英検CBTは2級までしかありません。もう、欠陥だらけです。

留学に英語は大事か?

英語はツールとして大事です。TOEFL72以上あれば、日本の奨学金ももらいやすいし、それなりの大学にストレートで入れます。
しかし、TOEFL72あろうが100あろうが、日本で留学を前提としていない教育をされてきたのなら、最初は必ず苦労します。レポートの書き方も、授業中の発言の仕方も、プレゼンの仕方も、何もかも日本の教育では身に付いていないからです。
英語は国語と同じで、いくらやってもきりがありません。大学側から許可されたら、適当なところで飛び込む勇気も必要だと思います。

同じ英語で授業するコミカレと4年制大学の英語の基準が違うって、おかしいと思いませんか?本来同じはず。

留学の目的は英語そのものではないのです。だから、必要以上に英語に固執する必要はないと思います。

単位互換

UCLAの人気でカリフォリニア州の大学の単位はコミカレを含めて互換性が高いことで有名ですが、そのようなシステムは他の州にもあります。

コミカレからの編入学協定と単位認定(Transfer Articulation Agreements)も別にカリフォルニア州だけの特権ではありません。

希望の大学でTransferring Creditを検索してみましょう。東海岸と西海岸などでは大学のAdmissions Officeと交渉しないといけないこともこともありますが、同じ地域の大学同士なら概ね互換性があります。

打算でアメリカに留学するな

留学サイトで打算まみれのアドバイスが書かれたサイトがあります。

そもそも、打算を優先するなら、Fランでもいいから国内の大学に行くことをお勧めします。高卒でも就職に困らない昨今なら、就職に強いと言われる大学に入学し、1年生のうちから学業はほったらかしで、企業のインターンなどをして就職活動すれば良いのです。

今の世の中はそうなっています。ネームバリューのためにあえてUCLAに行くのは、中途半端な打算です。打算の割には遠回りしています。

アメリカの大学に学部留学をしたい人は、打算を捨てましょう。ハーバードだろうがUCLAだろうがCSUだろうが、留学するからには実力で生きていく必要があると覚悟を決めましょう。打算を捨てられないのなら、国内大学に入学して、TOEFLを72以上取って、交換留学や奨学金で派遣留学することをお勧めします。

そういうサイトに限って軽く「コミカレで必死に頑張れば」とか書いてありますが、結局頑張れなかった学生にはなんと声をかけるつもりなんでしょうか。大きく見積もっても上手く行く学生は数分の1。頑張りが平均的では上手くいかないのです。しかも、その中には英語が得意な帰国子女だって入っているはず。ほんの一握りの成功者の影で、何倍もの敗北者がいるのです。ほんの一握りだから、成功者のサイトは繁盛するのです。そもそも、自分の実力で合格できた日本の高校で平均4以上の内申を取れない人が、急にコミカレで1年生からオールA取るって、どういう奇跡でしょうか。

新卒の留学生に奨学金をくれない州立大学ばかり見ていると見落としがちですが、それ以外の大学では編入(Transfer)よりも新卒(Freshman)の留学生のほうが奨学金の面でも優遇されていることが多いです。また、人気の高い大学、特に私学は、Retention Rate も高くなり、編入する枠が狭くなります。ガバっと広い新卒枠で合格できない人が、より狭い編入枠を狙える状況は自ずと限られ、勝者の裏にはたくさんの敗者がいます。当事者としては「夢がある」の一言で片付けられない現実です。

すでにコミカレに行っている人は、気を悪くするかもしれません。しかし、厳しい条件付きの夢が安易にクローズアップされ、実際にコミカレに行く人が多いことに疑問を感じるのです。実際はコミカレに行く必要がない人に、コミカレに行く必要がないことを改めて知って欲しいと思います。

国内大学受験事情2018

このサイトには、例えばハーバードに行くような優秀な生徒向けの情報は何もありません。東大と海外大学併願とか言って、高1で「TOEFL iBT 100突破」みたいな才能の大盤振る舞いじゃなくて、高3になっても「TOEFL iBT 45」のような生徒のために、限られた才能を最大限活かせる情報を提供したいと思います。

で。

限られた才能で海外大学を目指す生徒も国内大学と併願してみたいということで、ここ2〜3年の国内大学受験事情に触れてみたいと思います。

ここ2〜3年、国内大学の受験現場には大きな嵐が吹いています。まず、2020年度(2021年1月)から始まる「大学入学共通テスト」。ここで、制限付きながら英語の外部試験を導入します。

認定されたのは次の8種類。

  • ケンブリッジ英語検定
  • TOEFL iBT
  • TOEIC Listening & Reading TestおよびTOEIC Speaking & Writing Tests
  • IELTS
  • GTEC
  • TEAP
  • TEAP CBT
  • 英検(1日完結型、公開会場実施、4技能新方式CBT)

従来型の英検は4技能試験と認められず却下。その他のタイプの英検はまだ実施されていません。4技能新方式CBTが2018年8月に開始で、1日完結型と公開会場実施は体制が整わず2019年からの開始です。

「2020年度からの話でしょ、カンケーないし。」って思っているあなた。実際にはもう随分導入が進んでいるんです!この1〜2年で、英検、TOEFL iBT、IELTSなどの成績を提出すると優遇がある大学が爆発的に増えています。従来英語の外部試験といえば上智のTEAPが有名でしたが、海外大学に通用するTOEFL iBT、IELTSの採用が増えているところが注目点です。特に国際系の学部は海外留学できる生徒が欲しいので、最初からTOEFL iBT、IELTSが高い学生の方がいいに決まっています。

海外大学で使える英語なら、より実践的なTOEFL iBTを勉強するのが一番です。高1になったら、どれくらい難しいか、試しに受けておきましょう。そのうえで、高2からそろそろIELTSも受けておきましょう。ちなみにイギリスではTOEFLが使えません。また、純ジャパはIELTSの方が良い成績をとれることが多いです。IELTSの欠点は、TOEFLの「受験料が高い」に加え「回数と受験会場が少ない」です。特に国内の共通テストで利用が始まる2020年度は、予約が非常に取りにくくなるのではないかと思います。

従来型の英検は圧倒的に受験料が安いのですが、回数も圧倒的に少ないのが欠点です。準1級を取るとアメリカやオーストラリアで使える大学がありますが、年3回しかチャンスがなく、しかも1次に合格しないと2次が受けられない従来型の英検をターゲットに勉強するのはちょっと考えたほうが良いかもしれません。

現状では大学によってそれぞれの外部試験の基準点が違います。自分が得意な外部試験の基準点が低い大学を選ぶと有利です。

大きな嵐の2つ目は「東京23区内で大学定員増の原則10年間禁止」です。

これも、水増し合格の厳格化という形で既に始まっています。

従来、首都圏の大学では、定員を上回る水増し合格を出して学生を確保する大学も多かったのですが、文部科学省が定員を大幅に超えた場合、国からの補助金を出さない・学部新設を認めないというペナルティを2016年度から2018年かけて段階的に始めたので、去年・今年の一般入試では、受かるはずの点数をとってもまさかの不合格という現象が出てきています。また、少子化に向けて学部の定員を絞って、大学院を充実させる方針の大学も出てきています。

特に国際系の学部はオリンピックに向けて注目度も上がっており、去年のデータは使えないと思ったほうがいいです。

今後の中堅大学は、AOや推薦入試で確実に生徒数を確保し、最後の一般入試では合格者を絞り、見かけの偏差値を上げるという傾向が強くなっていくと思います。もう既に主戦場はAOや推薦入試に移ってきています。また、これから5年間で5%も18歳年齢が減少するにもかかわらず、今後10年は特に首都圏の上位の大学の競争率は変わらず、むしろ上がることさえ考えられます。

今日本の大学は、アメリカの大学の後追いをしています。彼らが二言目に口に出すのは決まってアメリカやカリフォルニアの大学事情です。内申が悪くても一般入試で逆転なんてことは、将来過去のものになるでしょう。