親の準備はお・か・ね

海外留学に向けた親の準備でいちばん大切なのはお金です。

このサイトでは、特に断りがない場合、短期留学ではなく4年間フルのアメリカ大学留学を前提に書いています。そして、アメリカに留学する際は、F1ビザという学生ビザが必要です。

F1ビザはアメリカ大使館で面接のうえ取得するのですが、その際必ず必要になるのが、合格した学校から郵送で送ってもらったI20という入学許可証と、英文の銀行残高証明書です。英文の残高証明書は、大学に出願する時にも必要です。

では、いくら残高があれば良いのでしょうか。それは、申し込む大学によって違い、学費や生活費に連動しています。各大学のApplyのinternational studentsのページに必要書類として掲載されています。Googleで「大学名 international Student Financial bank statement/letter」などと検索すれば見つかります。必要な金額は学費(Tuition)単独ではなく、HousingやBooks, InsuranceなどのLiving Expenses加えたTotalです。

例えば学費が比較的高いカルフォルニア州のUCLAはFall Quarter 2016の新入生で$60,000です。隣の州のオレゴン大学はFall Quarter 2017で$53,271です。比較的安いと言われるニューヨーク州立大学(SUNY Stony Brook, Albany, Buffalo, Binghamton, Geneseoなど)でも、BinghamtonがDecember 2016の新入生で$41,000、Geneseoが2016-2017の新入生で$31,375、 その他のもっと安い大学でも$30,000くらいは必要です。しかも、カルフォルニア州などは今後も値上がりしていきます。

あ、これ、1年分ですから!

1年間分の支払い能力を証明する必要があるということで、一番簡単な方法が銀行残高証明なのですが、もし奨学金がもらえるのなら、それも支払い能力に加えることができます。複数のサポーター(両親や祖父祖母など)をたてて関係を証明する戸籍謄本の英訳を用意すれば(apllyの際はサインで可、F1ビザの際に必要)合算もできます。

ということで高校3年生の9月の時点とF1ビザを申請する時点で最低360万円くらいないと、大学へのapplyさえできなくなります。高1の夏から2年間で貯めるとしたら、1ヶ月15万円です!最初から奨学金をあてにもできませんので、今から準備しておくか、借金できるようにしておきましょう。別に使う必要はなく、見せ金として必要なのです。

親のお金をあてにできない高校生は、奨学金がもらえるよう必死で勉強しましょう。日本の留学用奨学金を4年間もらうためには、英語の十分な能力が条件になります。TOEFL iBTで最低72はないと申込の条件を満たさないことが多いので、募集がある高校3年の夏から秋までに、TOEFL iBTで72とれるよう勉強しなければなりません。高校3年の夏から秋という時期までにTOEFL iBT 72というのは、ものすごくハードルが高いです。また、大学を選ぶかたわらで奨学金申込のための労力も必要になります。このように貯金が360万あるかないかで天国と地獄ほど違います。TOEFL iBTはいったんハードルをクリアすると、英語の制約がなくなるので大学選びがとても楽になります。

例えば、学部留学に冷たかったJASSOでも、2017年から学部留学用の給付型奨学金をはじめましたが、申込時点でTOEFL iBT 72以上またはIELTS 5.5以上が足切りの条件になっています。また、アメリカへの留学は年間20名程度(2018年度実績)で、スワースモア大学、ハーバード大学、ミドルベリー大学などです。

これらの奨学金は、採用発表の時期が大学への早期申込(Early Decisionなど)の締切である11月頃より後になってしまうことがあるので、注意が必要です。

日本の奨学金はこちらで検索できます。日本学生支援機構(JASSO)

一方でアメリカ現地の奨学金としては大学からの奨学金がほとんどになり、それらは基本的に返済不要です。そもそも、留学生が返済必要な借金(FAFSAなど)をアメリカでするほうが難しいです。

現地大学からの奨学金は、3.5以上のGPA(4.0満点)や、大学によっては高得点のSATが必要だと考えてください。Merit-based ScholarshipやNeed-based Scholarshipがそれになりますが、留学生に奨学金をくれる大学は限られており、特に州立大学は私立と比べて数が少なくなります。申込時点でFinancial Aidが必要として申込みますが、それが合否に影響するNeed Awareと、合否に影響しないNeed Blindの大学があります。そもそもの大学の合格基準が高いNeed Blindなのか、留学生にはより厳しい入学条件となるNeed Awareなのか、いずれにしても高い学力が必要になります。

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