学部生(under graduate)で留学する場合、リベラルアーツ・カレッジはおすすめです。
リベラルアーツ・カレッジのほとんどは私立です。名門のリベラルアーツ・カレッジは、どれもほぼ完璧な Retention rateとGraduation Rate Performanceを誇ります。学生の満足度と面倒見の良さが突出しているのです。その代わりに、どの大学も年間の学費は50,000ドル前後です。学生数が概ね3000人以下のためか田舎でも寮生活費が15,000ドルくらいかかりますので、合計で年間65,000ドル前後です。ローンを組むと地獄を見ます。SATやACTも高得点で、ファイナンシャルニーズがない国内生を圧倒する学力を持つ大変優秀な学生だけが入学できるまさに名門大学です。日本ではアメリカの大学といえばハーバードやMIT、UCLAくらいしか一般には知られていませんが、日本では100人いたら100人知らないようなLiberal Arts Collegeが、アメリカの大学の真髄なのです。
ちなみに、留学生にもNeed blind(ファイナンシャルニーズの有無が合否に影響しない)で、合格した場合100%ファインシャルニーズを満たしてくれるポリシーの大学は、大型の大学でもリベラルアーツを実践しているIVYのBig ThreeであるHYP(Harvard, Yale, Princeton)や、同じく工学系なのにリベラルアーツも実践しているMIT、そしてLittle IVYのLittle Threeのひとつでありリベラルアーツ・カレッジであるAmherst Collegeです。Dartmouth Collegeも2015年までは留学生に対してNeed Blindでしたが今はNeed Aware(ファイナンシャルニーズの有無が合否に影響する)です。このように、とにかく合格すれば100%の支援が得られる大学は高額な寄付金を集めることができる一部の大学だけなのです。
私立でも学費が安い大学や、奨学金を比較的簡単にもらえる大学はあります。しかし、そのほとんどは宗教色の強い大学や、留学生でもスポーツ奨学金を得やすい歴史的黒人大学(HBCU)です。日本では、例えばキリスト教の幼稚園に入って仏教の大学を卒業するような人もいますが、アメリカの宗教系の大学では宗教の必修単位が多くあるなど、その宗教と正面から対峙する必要が出てくるようです。宗教を通して学ぶことになるので、宗教と学問を切り離して考えたい日本人には少し難易度が高いかもしれません。
では、そこそこの成績で入学でき、たとえ奨学金がほとんどなくてもなんとか通い続けることができるような都合の良いリベラルアーツ・カレッジはないのでしょうか。そこで、州立のリベラルアーツ・カレッジです。
見つけるのは簡単です。COPLAC: Council of Public Liberal Arts Collegesのサイトにリストがあります。
州立のリベラルアーツ・カレッジも良いことづく目ではありません。教員と生徒の比が私立より多めです。また、Retention rateとGraduation Rate Performanceも若干落ちます。それでも、研究より教育を重視する姿勢があることにかわりはありません。