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Wings of Winter, Shades of Summer

Wings of Winter, Shades of Summer

(2002/11/20)

TOCT-25000

1.Bonne année
2.Wings of Winter
3.Northern Lights
4.ただわけもなく
5.Rodeo
6.雪月花
7.Painting the sea

プロデュース / アレンジメント: 松任谷正隆
レコーディング エンジニア: 藁谷義徳、Tom Tucker
Mix: Tom Tucker
Mastering: Bernie Grundman


「ひこうき雲」のレビューを中断して、いきなり現時点(2003年1月)で最新のアルバムである。 開封してまず気が付くのは、クレジットが見やすいということ。

アルバムタイトルは奇遇にも、このサイトのタイトルを引用したかのようだ。ちなみに、このサイトのタイトルはライブビデオのタイトルを引用している。

プレーヤーに挿入すると合計時間は32分57秒。まるで、「ひこうき雲」のレビューをうけるように、今回のアルバムはコンセプト重視、構成重視。まさに「収録曲を2曲減らしてでも、構成に余裕を持って、、、」である。もともと、例を出すまでもなく松任谷由実さんのアルバムは、統一感があるものが多い。それの多くは、特にアレンジの面で目立っていると思う。今回はさらに曲作りの段階から強く意識して、試験の課題に自ら「リゾート」を設定。コンセプト重視のアルバムを作ろうとした。ただし、Painting the sea は、同時多発テロ直後のロスアンジェルスで既にレコーディングされていたそうなので、「リゾート」を設定する以前にできていたものを手直ししたようだ。

全体的に北欧的雰囲気の作品に仕上がっている。「近未来の 精神的リゾート」(=21世紀のリラックス・ゾーン)をイメージしているようだが、リラックスし過ぎて生死を越えてしまいそうである。とにかく、雪月花はまた一つ前に進んだと思う。

今は、まだはっきりとした評価ができない。特に、Rodeo、Painting the sea の居場所はここなのだろうかとまだ思っている。そういう意味では、全5曲で最後が雪月花でも良かったのだが、Painting the sea を最後に持ってきたことで、心の癒しやよりどころを強く求めたメッセージアルバムになってるようにも思える。

1.Bonne année
2.Wings of Winter
3.Northern Lights
4.ただわけもなく
5.Rodeo
6.雪月花
7.Painting the sea

北朝鮮拉致、中東の戦火、ニューヨークのテロ、神戸(阪神淡路)の震災、貧困と様々な差別。
同じ人間が運で死に、運で苦しむ。
「SURF&SNOW」は近くのことを題材に成り立っていたが、今(人生経験を含んで)リゾートを考えるとき、その反対側の死や絶望、 苦しみを無視するわけにはいかない。
これらのことはリゾートと反対側ではなくて、むしろ精神的癒しという意味での心のリゾートを一番必要としている。
今回のアルバムは、これを無視するわけにはいかなかっただろうし、そのために作ったのかもしれない。
つまり、ここで作り上げたかったのは、バブル崩壊後のデフレ・リゾートではなく、広い視野からのリゾートだったのだろう。
一人一人の体験から生まれた心を直接分かち合うことはできないし、すぐに忘れ去ることもできない。失った過去そして命を取り戻すこともできない。
しかし、これからの喜びを分かち合い、支え合うことはできるかもしれない。
時間という川の流れはときに厳しいが、海へと流れ溶けていくうちに、支え合った私たちの心を癒してくれるのだろう。
「哀しみにも時は流れ 海へと注いでゆく
喜びなら分かち合って いっしょに運んでゆこう」

Last updating: 2003-01-28