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なぜか森高千里さんの第1期、第2期のアルバムレビューです。
松任谷由実さんとは、普通がおかしいという共通点を感じます。「REINCARNATION」という変で素晴らしいアルバムを作ってみたり、「真夏の夜の夢」や「輪舞曲」を作ってみたり、、、そういう部分に、森高千里さんの楽曲と共通性を感じます。ただし、森高千里さんの方がやや荒削りですね。しかし、そういう部分も極初期の松任谷由実さんにそっくりだったりして、、、。あと、声や歌唱法に松任谷由実さんと似た特徴をもっています。
とにかくあなどってかかってはなりません。何しろ現在でも15年以上前の最初のアルバムを含めアルバムは全て新品で手に入るのですから、ミュージシャンとして十分評価されるべきでしょう。ちなみに2003年の時点では、2人目のお子さんを出産され活動は休止されています。ファンクラブも解散しました。モーニング娘。と同じzetima*に所属しています。
ちなみに、ドラムの演奏面での評価は吉田美奈子さんとの作品も多い村上 "ポンタ" 秀一さんをあたってみましょう。村上 "ポンタ" 秀一さんのアルバム「Welcome to My Life」にドラムソロ(カウベル付、「ホントバカみたい」の声も)で出演しているそうです。冗談かどうかはさっぱりわかりませんが、「ちぃ様」は8ビートのフィルイン直後の通常の小節の 2 拍目に感情が入らずスコンと抜けてしまうところがかっこ良いらしいです。おすみつきが付いたようなもので、なおさら評価しにくいです。ドタスカした感じを好むドラムは、なぜかフィルコリンズを思い出す時も。。。
参考資料:Chisato Moritaka Web Site Home Page*
(WPCL-502 1987年 7月25日)
これは、買いませんでした。
アルバム最後の曲、そしてデビュー曲&東宝映画「あいつに恋して」(森高千里さんも出演)の主題歌でもある「NEW SEASON」(作詞: HIRO, 作曲・編曲: 斉藤英夫)は良い曲ですが、これも含めて「森高ランド」に出てくるので、そちらで触れたいと思います。作曲・編曲が斉藤英夫氏というところは覚えておきましょう。
森高千里さんの本領は、ご存知の通り詞を書き始め、ドラムを叩き始めてからとなります。
(WPCL-503 1988年 3月25日)
唯一、森高千里さん作詞(作曲・編曲は斉藤英夫) の「ミーハー」が登場します。ここから、怒涛の森高・斉藤コンビが炸裂をし始めます。しかし、まだちょっと普通です。これも「森高ランド」に出てきます。もう2枚目で脱アイドルなんですね。小泉今日子さんの「なんてったってアイドル」に通じるものがあります。
このアルバムも、買いませんでした。「森高ランド」で十分ではないかと。。。
(WPCL-504 1988年11月17日)
このアルバムは、彼女のターニングポイントとして重要なアルバムです。ここでの評価が次の「非実力派宣言」のブレークにつながっています。
このアルバムでは森高・斉藤コンビの曲が過半数を占めています。そして、変さも十分力が入っています。当時は前のアルバムの「ミーハー」という単語だけで十分インパクトがあったのですが、ここでは出世作の「ストレス」が入っています。しかし、「ストレス」はシングルの中近東バージョン(「The Best Selection of First Moritaka」に有り)が良いです。「ザ・森高」のザ・森高ヴァージョンも良いので、歴史的価値のためにあえてこのアルバムを買うほどではないと思います。
「ミーハー」「ストレス」などこれらの単語を選んだわけは、「古今東西」あたりまで待たないと当時は理解できませんでした。それでも、この変さの奥に才能を感じる人は一部ですがいたようです。
このアルバムも、買いませんでした。
(WPCL-505 1989年 7月25日)
このあたりから、必携になってきます。ジャケットは宅八郎氏がフィギュアにして持ち歩いていたことで有名です。
普通に戻って、南沙織がレコード大賞新人賞を獲得した「17才」をカバーしています。これは、初のヒットになりました。ここでの聴きどころは間奏に入る犬と砂浜で戯れるところです。やはり変を確信犯でやってます。これは、「森高ランド」で聴けません。このある意味脳みそが溶けそうなバージョンの「17才」は一生に一度は聴いておくべきでしょう。
この他にも、「だいて」を何度も何度も言う「だいて」も話題になりました。(構成は普通?)
「今度私どこか連れていって下さいよ 」を何度も言う「今度私どこか連れていって下さいよ 」とか、「教えて教えて」「ナニナニ」を何度も言う「しりたがり」(作詞・作曲: 森高千里)も楽しい(ばかばかしい)のでお勧めです。
カーネーション*との「夜の煙突」(カーネーションのデビューシングル曲でもある)は、ロック色が強く異色ですが、後々印象に残る曲になります。カーネーションはこのアルバムで3曲に演奏で参加しています。作詞:森高千里でカーネーション*のメンバー直枝政太郎氏が作曲した「はだかにはならない」は替え歌「はだかにはさせない」がカーネーションのアルバム「ELEC.KING」に収録されています。
「夢の中のキス」ではドラムを初めて叩きますが、本領発揮はまだです。このアルバムは、作詞が際立ったものになっています。
(WPCL-688 1989年12月10日)
全曲録り直しのベスト版です。全曲で編曲を斉藤英夫が担当したこともあり 、音に統一感があるオリジナルアルバムを作り直したと受け取れるものになっています。ちなみに歌以外は全て斎藤英夫氏が、高級なデジタルマルチトラックなど使わずに、DATなどを使い自宅で収録しています。新しいオリジナル曲も2曲有ります。私が最初の3枚を軽視するのは、このベスト版の出来が良いからです。
早口言葉「赤巻紙、青巻紙、黄巻紙」を台詞で言う「ストレス」はシンプルでスピード感がしっかりとあるバージョン。
続く「ALONE」は「見て」からの曲だが高域が苦しい。この頃のレコーディングでは、味はあるのですがまだ歌唱力が安定していない印象が残ります。 安田信二氏*が作曲しており、このアルバムの中で、キーが高めのキャッチーで楽しめる曲を他にも提供しています(「LET ME GO」「道」)。ちなみに、安田信二氏が在籍していたバンド、ミラクルシャドウ(後のトゥ・ラヴ・サムバディ*)のオリジナル曲「朝日を見に行こうよ」(作詞、作曲:安田信二 = ミラクルタロウ = 安田しん二)はSMAPがカバーしています。
「GET SMILE」も声がまだ湿っぽいし、勢いで歌っている印象です。この曲は作詞がSPEEDのプロデューサー伊秩弘将氏で作曲が島健氏、歌い手の成長に合わせて良くなっていくような実は難しい曲かもしれません。
ここでは普通のバージョンに近い「17才」も聴けます。
最後のデビュー曲「NEW SEASON」も良いのですが、それよりも一つ前の「道」(作詞: 森高千里, 作曲: 安田信二, 編曲: 斉藤英夫 )は必聴。ライブでも大切にされている1曲で、近年では「The Best Selection of First Moritaka」でも聴けるようになった曲です。この曲は、「街も、坂も、橋も、駅も」などと何度もたたみかけながら昇っていくサビが特徴で、「非実力派宣言」でしつこいほどやった連呼する手法が美しく結実したものになっています。そして、次のアルバムの「雨」やその後の「渡良瀬橋」へと登りつめて行くわけです。
(WPCL-689 1990年10月17日)
このアルバムは歌唱も安定してきており、とてもバランスがとれたアルバムになっています。森高千里さんがアイドルではなく音楽的に不動の地位をきづいたアルバムだと思います。そして、「変」が普遍的な(森高千里の)「普通」になった記念碑です。シングルカットは少ないですが、アルバムとして素晴らしいです。
1曲目の「鬼たいじ 」もスピード感と歌唱にもキレがあって、気持ちよい曲になっています。
小品「ザ・バスターズ・ブルース」は「ゴキブリホイホイだぞ」の「ホイホイ」の部分が曲として効いています。
「あるOLの青春 〜A子の場合〜 (森高コネクション) 」は夏秋冬と続く「森高コネクション」シリーズなので歴史的に外せません。そして、キャッチーで楽しい曲。夏休みに一人でファミコンするOLという気取らない現実感を、ミュージックシーンに持ち込んでる点は当時新しく、作詞はエクセレントの域に入っています。
「雨」は、この時点で森高千里さんの代表的なバラードとして当時非常に評価されました。カラオケでも非常に人気があった曲です。低めのキーを感じさせます。
「大冒険」は「鬼たいじ 」のようにスピード感もあり、スリリングな曲に仕上がっています。これも良い。
「ここのマイクですか?」(左)で始まる「晴れ」はモノラルだがコンパクトに定位した音が逆に厚みを与えている点で、興味深い。続く「岬」と合わせて、気持ち良く仕上がっています。
次の「ファンキー・モンキー・ベイビー」は、そこに「大倉洋一」「矢沢永吉」の名が刻まれていること自体が何かすごいものを感じます。
「この街」は時とともに遷り変っていく地元熊本を歌った歌。長く歌われることが約束されていた歌です。実際にとても良い歌になっています。特に奇をてらっていない、心のこもった歌詞がとても素晴らしいです。「馬刺しがよかー」「だいか楽しみ」と方言も聞けます。「あっ、ユーフォーだ!」も。
「テリヤキ・バーガー」。これは、自分自身への応援歌かもしれません。シングルにはなりませんでしたが、このアルバムで1、2を争う楽曲になっています。かっこいい。
「うちにかぎってそんなことはないはず」はカーネーションのボーカル直枝政太郎氏の作曲。非実力派宣言「夜の煙突」に続いて、なぜか森高千里さんと相性が良く、しっくりくる仕上がりになっています。はじけています。カーネーションのアルバム「ELEC.KING」に収録された替え歌「モーレツな人モーレツな恋 」には、森高千里さんも参加しています。
(WPC6-8321 1991年 7月10日)
またもや取り直しのベスト版。こちらは、「森高ランド」と比べてバラエティー重視の洗練されたものになっています。これからの森高千里という感じになっています。オリジナル曲も有ります。ボーカルも上達し完成度はさらに上がっているのに、退屈しない素晴らしいアルバムになっています。
ストーンズ初来日東京ドームで10回公演という社会的ブームを背景にした「臭いものにはフタをしろ!!」。で、ストーンズブームの中心はおじさんだったのです。偉そうに説教するおじさんが実は「ミーハー」だった。森高千里さん作詞のあの「ミーハー」とのつながりが裏にありますね。(曲名はローリングストーンズの「黒くぬれ Paint It, Black」から来ているのか?)
「だいて (ラスベガス・ヴァージョン) 」はオリジナルよりちょっと豪華でずっと良くなっています。
「ザ・勉強の歌」は「ザ」シリーズで、かなり編曲が遊んでいます。「大好き」(by森高)のサンプリング付き。
「八月の恋」は「古今東西」の「月夜の航海」に続くロマンチックな曲。ここで、気が付くのは、森高千里さんがロマンチックということをちゃんと歌唱していること。もう、ちゃんとしたボーカリストと認めても良い頃だと気が付くことでしょう。
「GET SMILE」も成長を記録する柱の傷のように、また収録されています。やっと「歌えた」と思ったことだと思います。
「雨 (ロック・ヴァージョン)」 も低いキーをちゃんと歌いこなして安定感が出てきています。お勧め。良い歌なのだから、ここで取り直す必要があったのです。泣きのギターソロもスケール感を出す上で素晴らしい仕上がりです。
「青春」は「道」のカップリング曲。「お気に入りはプリプリよ」の「プリプリ」とは、女性ロックバンドのジャンルを日本で確立した当時大人気のプリンセス・プリンセスのこと。これも、良い曲です。
「ザ・ミーハー (ザ・森高ヴァージョン) 」は、ある意味のルーツなので、ここで入れたかったのでしょう。
「ザ・ストレス (ザ・森高ヴァージョン) 」は、ストレスの王国を探していた探検隊がジャングルの奥でストレスの女神森高千里を探し当てる壮大な絵巻(嘘)。ボーカルにもキレが出て、良い出来になっています。名物早口言葉も大増量。
「この街 (ザ・森高ヴァージョン) 」は、しっとり聴かせるバージョン。これは、普通のバージョンの方がお勧めだと思います。
ROCK ALIVE (WPC6-8322 1992年 3月25日)
ペパーランド (WPC6-8323 1992年11月18日)
Lucky 7 (WPCL-760 1993年 5月10日)
STEP BY STEP (EPCA-7002 1994年 7月25日)
DO THE BEST (EPCA-7003 1995年 3月25日)
ここから第2期になります。
TAIYO (EPCA-7006 1996年 7月15日)
PEACHBERRY (EPCA-7010 1997年 7月16日)
今年の夏はモアベター (EPCE-5001 1998年 5月21日)
Sava Sava (EPCE-5004 1998年 9月 9日)
The Best Selection of First Moritaka (WPC7-8535 1999年 2月15日)
mix age* (EPCE-5029 1999年11月 3日)
harvest time (WPC7-10039 1999年11月 25日)
ここから第3期になります。
MY FAVORITES (EPCE-5330 2004/11/26) ,,, 「どっちもどっち」のみドラムやコーラスを新録音
Last updating: 2004-12-02