このページは、ちょっとステップアップして、
さらに快適にインターネット利用する方法について書いたものです。
ここでの説明は技術的に不正確な表現があります。
特に「一般的に」「いわゆる」 と書かれている部分は技術的な正確性に欠けます。
ここで取り上げる「ドメイン」とは、このページでいうと、この部分です。
http://www.isp.alice.ne.jp/swim.htm
マイクロソフトのサイトでいうと、この部分です。
http://www.asia.microsoft.com
この部分は多くの場合、利用しているプロバイダー(以下、アクセスプロバイダー)のものを使いますが、自分専用、組織専用のものを持つと便利です。
例えば、、、
- アクセスプロバイダーを変更したときに、メールアドレスやホームページのURLを変更する必要が無い。
- クーデターや管理機構の消滅、インターネットプロコトルの大幅な変更、インターネットの衰退、管理費滞納、その他のトラブルが無い限り一生自分専用のものとして使用できる。
- メールアドレスやホームページのURLに気に入ったものを使える。
- シンプルなメールアドレスやホームページのURLを使える。
- 企業や団体の場合は、社会的信頼を得やすい。
- (収集癖を満足させることが可能)
「ドメイン」とドメインについての詳細な説明 (参考資料:JPNICのドメイン名簡単ガイド*)
現在のインターネットはIP(Internet Protocol)で機能する巨大なネットワークです。 そこに直接つながった機器は少なくとも1つの一意な(現在は)32bitのIPアドレスが割り当てられています。IPアドレスに対応付けられた名前がホスト名です。一つのIPアドレスに複数のホスト名を対応させることも可能です。これを一般的にvirtual domainと呼びます。一般的な個人の使用範囲ではvirtual domainのデメリットを感じることはありませんが、企業レベルのセキュリティー対策などより突っ込んだ運用では、デメリットが発生する場合があります。
通常ホスト名は、マシン名とドメインに分割できます。先の例でいえば通常は、ホスト名「www.isp.alice.ne.jp 」の先頭から最初のピリオド(ドット)までの「www」がマシン名です。そのピリオドから右側「isp.alice.ne.jp」がドメイン名です。ドメイン名は、ピリオドで数階層に分けられています。
いわゆる「ドメイン取得」と呼ばれる行為の「ドメイン」とは「alice.ne.jp」を指します。本来は「jp」「ne.jp」もドメインです。しかし、一般人には割当てられないので「取得」が現実的でありません。また、ドメイン「isp.alice.ne.jp 」は、ドメイン「alice.ne.jp」の「取得」者(例えば自分自身)から割り当ててもらい、一般的には「サブドメイン」と呼ばれます。ここでいう「サブドメイン」は親ドメイン「alice.ne.jp」の「取得」者に依存する度合いが非常に大きいので、長期に保持できる見込みが高いいわゆる「ドメイン」と区別されて呼ばれることが一般的です。「com」「jp」「biz」など、全くピリオドがつかないドメインは、トップレベルドメイン(TLD)と呼ばれます。
またJP-NICでは、「ドメイン取得」のことを「ドメイン名の登録」と正式に表現することがあります。
転送サービスの罠
独自のドメインを使用することで、アクセスプロバイダーを引っ越してもメールやホームページの引越し案内をする必要がなくなります。これは、独自ドメインの大きなメリットです。これと同じことが転送サービスでも可能ですが、「無料」とうたっているメールの転送サービス業者や無料のメーリングリスト業者の中には悪質なものがあります。悪質業者は無料でサービスを行いメールアドレスを収集し、それを販売*しています。転送サービスを使い始めてからSPAMメールが多くなったり、MLを購読したらSPAMメールが多くなったりした経験はありませんか。それは、メールアドレスが横流しされているためです。
最後に「.jp」が付くドメインは、日本のJPNIC*が管理(レジストリ)していましたが、JPRS*に移管されています。日本の企業がドメインを登録する場合、社会的信用などを勘案して「.co.jp」が付くドメインを取ることが多いのですが、JPNICの頃は基本的に1組織1ドメインで、取得条件が厳しくなっていました。また、個人が特別な理由無しに登録するドメインは、長くて運用規則もダサダサの「地域型ドメイン」しかありませんでした。このような日本の状態から、ドメインの登録がまだまだ一般的ではなかったので、費用や手間に不安を感じるかもしれません。しかし、実際はコツを覚えれば、個人でも思ったよりリーズナブルにドメインの登録ができます。慣れてくるとADSLをひくより簡単かもしれません。また、今後は携帯のメールアドレスの取得と同じようにドメインを当たり前のように登録する人が増えると思われます。
2001年4月から汎用JPドメイン名*の運用が開始されました。このドメイン名は、日本人が自由に何個でも登録できるドメイン名です(もちろん、紛争に巻き込まれないドメインを選び、悪意の無い運用を心がけなければならないご時世なのはどこも共通です)。汎用JPドメイン名は2001年5月7日より先着順の登録受付も開始されており、2001年5月10日には一般人を蚊帳の外にしたドメイン登録合戦も一段落しています。予想以上に、日本人の名前や、文字数が少なく日本人にわかりやすいつづりの一般単語のドメイン名に人気があり、英語辞書に載っている単語で適当なものはあまり残っていませんし(複合語やイメージの悪い単語、つづりが難しい単語はまだ残っています)、多くの人が既に自分の姓や名を登録できない状態です。一方で、企業の対応は遅く、主な国内で有効な登録商標*を一通り取っている程度が現状のようで、例えば海外向けの商標や派生する名前は取りきれていません。
もし欲しいドメインが取られていたら、正統な権利と相手の不当性が証明されれば、紛争処理のガイドラインに従って解決できるかもしれません。それ以外は、手放されるのを待つしかありません。チャンスの時期ですが、JPRSの問題で料金不払いによりキャンセルされたドメインが2001年6月から8月に放出されるかもしれません。その次は来年の5月から7月に維持費の不払いによる登録の抹消ラッシュがあると思われます。ドメインの登録失効から完全な抹消までは1ヶ月の冷却期間が置かれるそうですので、正確な時期は予想できませんが月末日が廃止日ということは、一ヵ月後の月末日や月初めがチャンスです。
最後に、非常に重要なことですが、従来の属性型(組織種別型)や地域型で必要だったJPNIC会員による接続承認は2001年3月から廃止になりました。つまり、海外のプロバイダーのネームサーバーを利用して全てのJPドメインを運用することが可能です。そして、汎用JPドメインはCOMドメイン等でさえ必要なDNSの登録をしなくても、登録と登録状態の維持が許されているため、よくわからなくてもとりあえずお金さえ払えばいくつでも登録できるようになっています!
汎用JPドメインには、漢字や平仮名などの日本語のドメイン名(=国際化ドメイン名 IDN)を登録できます。このドメインの仕組みや利用方法については、2002年にようやくPunycode*というデーター仕様を採用することが決まり、2003年3月に技術仕様を規定したRFCが発行*されたところです。これによりgTLDに提供されている日本語ドメイン名の登録サービスと仕組みを共通化できたのですが、今後は膨大な量の各種アプリケーションを対応させる必要があり、普及は(普及することがあれば)数年先だと思われます。現時点で一般の利用者が日本語ドメインにメールを送ったり、Webを見たりすることは特別な処置をしない限りできません(これは、gTLDの多言語ドメインでも同様です)。個人が日本語ドメインを登録するメリットは(将来性を考慮しても)非常に薄い状態です。一方、企業等にとっては、危機管理の観点から念のために抑えておく必要があります。以上の状態から、現時点で日本語汎用JPドメインの登録状況は、企業と一部の勘違いしたドメイン取得屋さんが中心となっています。特に初期は立ち上がったばかりのJPRSの財源を潤すためにあるような状況でした。
注)日本語のドメイン名は、2001年8月27日から マイクロソフト社のInternetExplorer(バージョン5.0以降)のみで、RealNames社のサービスを利用してWebのみ使用が可能になりました。しかし、メールなどは使用できません。
2002年5月の米RealNamesの営業停止を受けて、JDNAはクライアントマシンにソフトを別途インストールすれば良いと苦しい弁解をしているますが、益々怪しい運営状態と言わざるをえません。参考資料1:汎用 JP ドメイン名登録等に関する規則* 2001年 3月10日実施版
第21条4項(汎用 JP ドメイン名の廃止)
「登録者が第27条に定める汎用 JP ドメイン名維持料の支払いをしないときは、その汎用 JP ドメイン名について、汎用 JP ドメイン名維持料の支払月の末日を廃止日とする廃止届を行ったものとみなす。ただし、事務局が特別の事情があると認めた場合には、事務局所定の納付期日を延期することができる。」第24条(廃止された汎用 JP ドメイン名の再度の登録)
「廃止された汎用 JP ドメイン名(廃止されたものとみなされる汎用 JP ドメイン名を含む)は、廃止日から1か月間、再度の登録申請ができないものとする。」参考資料2:
日本語ドメイン名運用試験(フェーズ2)開始のご案内* 2001年5月7日
参考資料3:
参考資料4:
IDN標準化最新動向とJDNA今後の展開について*(2001年12月18日)
IDNA、NAMEPREP、AMC-ACE-Zに関する詳細な技術解説*(2001/12/4)
巷では、「.to」や「.nu」などのccTLD*(国別のドメイン:KさんのISO 3166 Country Code*参照)を収集することが一時期はやっていたようですが、個人が最初に取るドメインは、「.com」や「.net」がつくドメイン(ccTLDに対してgTLDと呼ばれる)をお勧めします。特に、一部のccTLD*は、維持費を突然値上げしたり(WSドメイン)、使用できなくなったりする(CFドメイン)ことがあります。有名なccTLD*でも元々の持ち主の国は非常に小さく、政権交代などで方針が転換したり、管理している会社がつぶれたりする可能性は小さくありません。「.com」や「.net」がつくドメインは、費用が比較的安価なこと、入手できる情報が豊富なこと、運用が比較的安定していること(この点では、「.jp」ドメインの方が上だと思います)、人に覚えてもらいやすいことなどの長所があります。また、汎用 JP ドメインは維持費が2〜3倍程度しますが、DNSの登録義務も無く、同様にお勧めできると思います。
年間維持費の相場は、ある程度信頼できる日本の業者で安いものを探せば、2003年4月現在、COMドメインが1,090円〜2,250円、汎用 JP ドメインが3,500円〜4,500円程度です。若干高いのですが日本で比較的信頼できるのは、NSI*直系のベリサイン ドメインネーム サービス*やJPドメインのレジストリ直系のJPDirect*です。法人向けとしてはIIJ*なども信頼できると思います。維持費の安さで考えるとUKドメインが2.59ポンド(500円程度)〜と非常に安くなります(2003年4月現在、私は123-reg*を使用しています)。
ヒューメイアレジストリ*はCOM、NET、ORG、INFO、BIZドメインが2年で3,500円(年間1,750円、税抜き、手数料除く)、属性・地域型を含む JP ドメインが1年で3,500円(税抜き、手数料除く)と、日本語サポートのレジストラとしては安価で私も使用しています(2003年4月現在)。 JPドメインは、サポートが良い21-domain*やVALUE DOMAIN*もあり、キャンペーンで一時的にヒューメイアレジストリより安くなるときもあります。また、NSIに訴訟して勝利したことで有名なGo Daddy*など海外のレジストラも取り扱いを始めています。
この他にCOM、NET、ORGドメインでは、日本語が通じるところはeNom*代理店のVALUE DOMAIN*や21-domain*が\1090〜1098($9)/年と安価です(2003年4月現在)。海外では、Go Daddy*は安価です(2003年4月現在、私も使用しています)。onestop*はドメイン取得と10MBのヴァーチャルホスティング(無料)で1年11ドルです(2001年8月現在)。他に安いところでは、GANDI*、Joker*などがあり、特にGANDIの評価は最近高いようです。
また、私が使用してる英語サポートのpairNIC*は1年19ドルで、評判も良いようです。DomainMonger*なども評判が良いようです。
その他にもStargate.com*、GKG.NET*などがあります。維持コストに関した厳密な計算では、消費税の有無、クレジットカードの可否なども影響するので、クレジットを使える海外の方が若干有利です。例えばpairNICの19ドルとヒューメイアレジストリの1,750+500 = 2,250円(チケット購入費1回1,000円/2年)は、額面では$1=120円換算でほぼ同じですが、消費税と銀行振込手数料がかかるヒューメイアレジストリの方が年間200円程度高くなります(ただし、ヒューメイアレジストリは1回でチケット10枚を購入しても手数料は合計1,000円なので、実際はヒューメイアレジストリの方が安くなる場合が多い)。
人気がある名前は、現在登録されているドメインが期限切れになったときに自動登録するサービス(WLS)やメールで知らせてくれるサービスがあります。VeriSign*が中心になって広めているSnapNames*のサービスSnapBack*は、69ドルを初年度に39ドルを次年度から支払うことで、自動登録の予約が可能です(2003年4月現在)。ただし、あらかじめwhoisでExpiration date(更新期限)の日付を確認し、10年後などほとんど望みが無いドメインを予約するのは避けましょう。安価なところでは、Go Daddy*がDomainAlertというお知らせメールサービス(2003年4月現在、10件で年9.95ドル)を提供しています。また、これらとは少し違った視点で、期限切れのドメインのリストを提供するサービスもあります(DeletedDomains.com*)。
個人にお勧めのドメイン一覧(これらは、個人が取得できるリーズナブルなドメインです)
COM、ORG、NET
以前からあるgTLDです。これらについては、本来は商業目的、非営利団体、ネットワークサービスなどの意味がありますが、取得にあたっては気にする必要はありません。ただし、商標権などを侵害するような紛らわしいものは避けるべきです。漢字も使える国際化ドメインは、現状では個人が取得するメリットがありません。ORGドメインはあまり人気がないようです。COM、NETのレジストリはVeriSign*で、ORGのレジストリは非営利のISOC*が設立したPIR*に2003年から移管されています。2003年4月現在、まだORGドメインの運営は不安定なようです。
これら3つのドメインは2003年6月現在、削除されたドメイン名を回復させるための新サービスである「請戻猶予期間」(Redemption Grace Period)を導入しています。
BIZ*、INFO*、NAME*...(ICANNで承認された新ドメイン)
新しく追加されたgTLDです。7つのドメインが新たにICANN*によって承認*され、BIZとINFO*、NAME*をはじめとし、2003年5月現在ではPROを除き既に運用されています。BIZとINFO*、NAME*はそれぞれ、ビジネス、広い意味での情報、人名を意味します。
BIZ、INFOが第2レベルのドメイン名(SLD)を登録できるのに対し、従来のNAMEは実際に登録できるのが第3レベルでした。これまで見かけ上は間にdotをはさんだ任意の「ファーストネーム.ラストネーム.name」が登録できましたが、ラストネームにあたる第2レベルのドメイン名はレジストリの配下でした。そのことにより、「ファーストネーム@ラストネーム.name」のメールアドレスの転送サービスが可能となっています。しかし、これではドメインとして使いにくいため、3つの中でもあまりポピュラーではありませんでした。そこで、2004年1月14日から第2レベルのドメインが開放されました。今後はINFOとほぼ同様の性格になると考えられます。今後も従来のユニークな「ファーストネーム.ラストネーム.name」の運用は継続されます。2004年1月16日の時点では、第2レベルのドメインの登録に対応していないレジストラが多く残っています。第2レベルのドメインの登録が可能なレジストラは、こちら*で確認できます。2004年1月16日時点では、以前の第3レベルでの登録により予約されている第2レベルのドメイン名が、取得可能なように見えるという問題が、一部で残っているようです。
2004年1月16日時点では、Dotster*、Encirca*、Namebay*、Directnic*などが安価で、第2レベルのドメインに対応しています。(ちなみに、私は他の安価なレジストラが対応するまでの暫定としてDirectnic*を使用しています。カスタマーの質問に15分で返事が来るなど、レスポンスは良いようです。)当初少し割高だったこれらのドメインの維持費の相場は、2002年頃からCOM、ORG、NETと同じか、場合によっては逆に安くなってきました。
ICANNで承認された7つのドメイン
AERO BIZ COOP INFO MUSEUM NAME PRO
日本においては、しばらくの間COM、NET、JPの3つが有力ドメインである状況は変わらないと思われます。新ドメインが一般的に認知されるようになるのは時間がかかりそうです。
(2012年9月追記)2012年時点でgTLDの解放は進められており、6月時点で約2000の登録申請*が出ています。 また、実際に運用されているgTLDも22*に増えています。 しかし、com、net、少し離れてorg優位の図式は変わっていません。 第一に、一般に認知されないのが原因で、2000の申請されているドメインも、そのほとんどがブランディングやリスク回避の目的と考えられ、一般の人が登録するメリットが低いと言わざるをえません。
認知の問題以外には、SPAMメールの問題があります。infoなどのドメインは、1つ180円程度でバルク売りされていることがあり、SPAMメールの送信元として使い捨てドメインに利用されています。 そのため、トップレベル・ドメインそのものをブラックリストに入れて受信しないなどの対策をされてしまうことがあります。 普通の企業のメールは、bizやinfoのようなマイナーなgTLDを使用していないので、困らない訳です。 Whois情報公開代行サービスとバルク売りの組み合わせは、適切な運用がされないとスパマーの温床になります。 例えばお名前.com*のサービスをスパマーが使用していることが問題になり、結果としてお名前.com*で取得した関係ないinfoドメインも、レジストリにより強制的に廃止されかけたことがあります。
また、マイナーな新ドメインは急激な値上げリスクもあります。自動更新にしていると突然何十倍の値段になっていたり、そうでなくてもドメインレジストリの値上げではレジストラを代えても対応できないので、手放すしかありません。私もリスク回避のため一旦取得したドメインを手放しました。維持費はCOM、ORG、NETに負けますが、価値は同様にトップレベルです。また、日本語サポートが必要な場合、それほど維持費に違いが出ません(文字数も一つ少ない!)。漢字も使える日本語ドメイン名は、現状では個人が取得するメリットがほとんどありません。
2003年4月現在、非常に安価で取得が易しいドメインの一つです。JP ドメインと同じくccTLD*ですが、本来のカントリーコードはgbで、北アイルランドを含めてUKを使用しています。Nominet*が一般向けのドメインのレジストリとなり複数のレジストラがあります。登録および更新期間は2年間です。 net.uk, ltd.uk, plc.uk sch.uk は現地用(厳密な名前で登録)。 co.uk、org.uk、me.ukは、それぞれCOM、ORG、INFOのように厳密な名前は必要無く、日本からでも登録可能です。それぞれ、(表向きは英国に関係のある)企業、団体、個人名の意味です。JP、USやgTLDのように第2レベルを登録することは2003年4月現在できません。
EU(欧州連合=EU)
2003年5月22日にEU*はEURid*をEUドメインのレジストリとする決定*をしました。既にベルギー*、イタリア*、スウェーデン*のccTLDを管理している各団体が、非営利団体EURid(本拠地はブリュッセルの予定)の創設メンバーになっているため、レジストリとしての経験は十分だと思います。ただし、多言語の問題があるため、国際化ドメイン名(IDN)の登録は混乱があるかもしれません(国際化ドメイン名の登録開始時期は未定)。
すでに、一部のドメイン登録業者は(まだ正式なEUドメインのレジストラではない)、各業者内で閉じた予約の登録(pre-register)を開始しています。このpre-registerを行うと、その業者が代行してできるだけ迅速に登録作業を行います。しかし、それ以前の優先登録フェーズで既に登録されてしまったドメインには効力がまったく有りません。123-reg.co.uk*での同サービスは、事前手数料15ポンド+ドメイン登録料(2年間)30ポンドとなっており、登録失敗時は珍しく返金する方針のようです。また、事前手数料15ポンドは、10または30件まとめて申し込むと、それぞれの割引率が適用されます。
このドメインはccTLDですが、規模ではcom,netなどのgTLDと並ぶものとなる見込みです。「EU Regulation No. 733/2002」により、基本方針が制定されています。登録者の制限は「Any individual who is resident within the European Community, any undertaking having its registered office, central administration or principal place of business within the Community and any organisation established within the Community will have the right to register .eu domain names. 」だそうです。また、拡大欧州経済領域(EEA)まで範囲を広げるかどうかはまだ決まっていません。
運用開始は、サンライズ期間(優先登録)が2004年9月〜11月で、その直後から先着順の受付と運用が行わる予定です。2003年5月22日現在、まだ正式な運用ポリシーもICANNの承認もないので、euドメインは存在しません。
EURidが計画している料金体系では、.euの登録料は初年度が10ユーロ、次年度以降が5ユーロ(年間あたり)と、comドメイン、netドメインよりも若干安くなる予定です。 (2003年5月現在1ユーロは約135円)
このEUドメインにより国際化ドメイン名(IDN)は本格的に普及する可能性があると思います。(しかし、もう一度考えてみましょう。例えばあなたは、サムスン本社のサイトを訪れようとしたとき、韓国語IMEを起動してURLにサムスンという文字をハングル語で入力しますか。国際化ドメイン名は、インターネットを言語で分断する効果も持つのではないでしょうか。)
参考資料
番外編 US(アメリカ)*
安価で取得が易しいドメインの一つです。2002年4月より、汎用JP ドメインと同じく、アメリカのccTLD*の第2レベルが登録可能になりました。しかし、米国市民や居住者、米国の組織、米国に拠点を持つ組織などしか登録できません(ただし、チェックは自己申告制でいい加減?)。com、net、orgなどのgTLDを「USドメイン」と呼んでいる日本の業者もあります。混同しないように注意してください。usaという実在しないドメインを販売している業者もいるそうです。BIZドメインと同じNeuStar*がレジストリで、複数のレジストラがあります。
番外編 NE.JP
不特定多数に対して、メールアカウントの発行やWebサイトの提供などのネットワークサービスを行うことが前提ですが、以前は個人名で堂々と取得できる唯一のまともなJPドメインでした。
JPNIC会員による接続承認も2001年3月から廃止*されて、レジストラがJPNIC会員でなくても良くなったので、今後の維持費は安くなり、ほとんどのレジストラで7000円以下、汎用JPドメインとほぼ同額となる見込みです。制度移行後の維持費の支払いは、2002年4月から始まり、各ドメインの登録月の末日が支払い期限になります。
従来は接続承認があるために不可能だった海外のホスティング業者(ネームサーバー)による運用も可能です。
汎用 JP ドメインなどで取れない名前がどうしても欲しい人にとっては、割とすいているので、未だに貴重な存在かもしれません。このドメインはAD.JPと同様に特例として、CO.JP等のドメインを持っていても、1サービスにつき1つのドメインを付与できます。*接続承認を複数のJPNIC会員から受けていたドメインのレジストラについては、強制的に一本化される見込みです。その場合、レジストラによって維持費に格差が生じますので、注意してください。(2001年11月6日現在)
参考
ICANN-Accredited Registrars(ドメインを直接管理しているレジストラのリスト)*
Top ICANN Registrar Statistic*
ドメイン取得に必要なもの
- 登録費用、管理費用と支払手段
- ドメインネームサーバー(DNS)、、、汎用 JP ドメインは実運用しなければ不要
ドメイン実運用に必要なもの
- メールサーバー、Webサーバー
Pair Networks*
私は、1998年からここのサービスも使っています。ちなみにこのサイトは現在Webmasterコースを使用して運営されています。(私は、リセラーではないので、この件に関しては一切関与しません)
Shared Hosting*(共有ディスクスペースのレンタル)で適したサービスを選び、Sign Up Now!をクリックして申し込めば、ドメイン取得を含めた手続きが始まります。申し込み時に、Optional FeaturesでVirtual Domainを申し込むのを忘れないようにしましょう。2002年6月現在、新規の .COM, .NET, .ORG, .BIZ, .INFOドメインは、ホスティングの申し込みと同時にオンライン登録(pairNIC*を使用)できます。
JP ドメインもVirtual Domain from non-InterNIC*のサービスで運用できます。ただし、ドメイン登録・更新の手続きは、別途自分でやる必要があります。
汎用 JP ドメインは当初2000年に登録が開始される予定でした。しかし、方針の決定から実施までの期間が短かったこともあり以下のスケジュールとなりました。
2001年 2月22日 〜 3月23日正午 優先登録申請期間 (第1、第2区分)
2000年3月31日までに登録されている既存ドメイン名(地方公共団体ド メイン名を除く)登録者のうち、汎用 JP ドメイン名の登録要件を満たすものは、そのドメイン名と同じ文字列の汎用 JP ドメイン名を申請することができました(第1区分)。しかし、これに乗り遅れたところや、汎用JPドメインと既存のドメインの並行運用が可能なことを知らないところなどがあったようで、申請漏れが多くありました。この対象となるうるドメイン名はすべて申請が無くても先願受付開始まで凍結される結果となり、2001年5月7日正午から30秒の戦いの伏線となりました。
登録商標の保有者や個人名などは、その正式な表記方法で登録できる優先権が与えられました(第2区分)。権利がないのにダメもとで申請し実際に取得できていると思われるドメイン名もあります。これは必ずしも証明する書類を提出する必要がなく、登録に対する異議申し立ては優先登録申請期間に同様に申請した正規の権利者のみが行なえるという仕組みを逆手に取ったものです。つまり、優先登録申請期間に抽選の必要が無かったドメイン名は、不正に申請しても問題なく取れてしまう状態でした(特に一般的なドメイン名はその傾向が強い)。
JPRSに直接申請した場合、登録料が後払いとなるため、禁止しているにも関わらず不払いによるキャンセルが事実上できました。
2001年 4月 2日 〜 4月23日正午 同時登録申請期間 (第3区分)
この期間は、誰でも申請することが可能でした。また、申請者のIDを複数取得して、抽選倍率を上げることができました。JPRSより「同時申請期間には同一申請者であってもIDが違えば同じドメイ ンの申請を受け付ける」という見解が公式に事業者向けに示されたそうです。また、JPRSに直接申請をした人は、当選しても料金不払いによるキャンセルが事実上可能で、その場合JPRSに直接申請をした人の中で次の順位の人に登録の権利が与えられました (その時点で、あらためて登録するか否かを判断できたそうです)。指定事業者経由の場合は、辞退は認められませんので、指定事業者経由の申請者が当選した場合には繰上げ当選が無く、JPRSのレジストラ内で発生した繰上げ当選の対象になれないという不公平が発生しました。 また、この時点では優先登録申請期間に対象となったドメイン名は、申請が無かった場合を含めて凍結されており、先願による登録申請受付まで待たなくてはならない事態が発生しました。
2001年 5月 7日正午 先願による登録申請受付開始
同時登録申請に間に合わなかった申請と、優先登録対象ドメインで申請が無かったドメイン名の申請が、2001年 5月 7日正午に集中しました。指定事業者の中には前もって事前予約を取りまとめ、正午に数百の単位で同時にJPRSに接続して処理する方式をとったところもあります。そのような状況だったので、2001年 5月 7日12時0分30秒には魅力的なドメイン名は登録され、2001年 5月 7日13時には大方の決着がつきました。公表されている数字は7日だけで1万件程度と事前登録の数万件と比べると少ないように見えますが、抽選が無い登録自体の実数を先願では数えていることを考慮すると、大規模な混乱と受け取れます。特に一部の指定事業者を経由して、手作業で申請した人の中には、なかなか申請の接続ができなかった人もいたようです。この混乱は、優先登録対象ドメインで申請が無かったドメイン名が同時登録処理無しに扱われたのが大きな原因と考えられます。また、この時点で同時登録申請の結果は出ておらず、一部では念のために何らかのドメイン名を確実に抑えておく動きもあったのではと考えられます。
今後数ヶ月は、JPRS直接申請分のキャンセルものが月末、月初めに出回る可能性があります。
2001年5月10日以降に何らかの理由で放出されたドメインを、2001年5月17日から25日にかけて調査した結果、把握しているだけで73のドメインがキャンセルされています。(特に最初の17日に検出されたものが多くなっていますので、それ以前にも放出されている可能性があります。)
また参考までに、 第1区分対象全ドメイン名、及び第2区分で申請のあった合計約31,200のドメイン名のうち、約19,700が2001年5月24日までに登録されずに放出されていることが、独自の調査でわかっています。つまり、2001年 5月 7日になってから取れるようになったドメインは、優先登録のために凍結されたドメインの約2/3にものぼったことがわかります。これは、今回の優先登録の制度に欠陥があったからです。参考
5月7日正午にスタートした先願登録は,翌日の5月8日には1万件を突破。日本語ドメイン名の申請は約2300件と,優先,同時登録申請の場合に比べて減少している。優先登録では申請約7万件に対し,日本語ドメインの申請が約2万4000件,同時登録申請期間では約12万件に対し日本語ドメインは約6万5000件だった。
汎用JPドメイン名登録申請:先願登録申請が1万件を突破*
(失敗を自慢している場合ではない、、、)汎用JPドメイン名の導入経緯とその評価*
(JPRSは何も反省せずに自画自賛)
LiveLanguageNow.comでは、英語と140以上の言語間で有料翻訳します。ネットで翻訳、FAXで翻訳、電話通訳もしてくれます。料金は、2000年6月現在、翻訳が25語(英語)あたり8.5ドル(最小35ドル)、電話通訳は1分あたり4.5ドル(1通話2.5ドルが必要)。 英語以外を日本語にするためには、2倍の料金が必要と思われます。 クレジットカードも使えます。
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